Dreams leaking from my queer brain.

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「カミングアウト」について知りたいならこれを読め。

 
お久しぶりです。
書きたいことが浮かんでは消え、何ヶ月も放置してましたが、
このニュースを聞いて、のこのこ出てきました。
 
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勝間和代さんのカミングアウト
 
最初は「おお!」と思った。
 
すごい。
日本で、ここまで著名な女性が
同性と恋愛関係にあることをカミングアウトするなんて初めてじゃないか。
 
すごいすごい。
 
SNSでは他の著名人達からポジティブな反応もたくさん目にし、
「日本のLGBT史のマイルストーンになる」というtweetも目にした、
本当にそうなるだろうし、これをきっかけに少しでもセクシャルマイノリティが生きやすくなればいい。
勝間さんご本人もそういう思いもあってカミングアウトされたのだろう。
 
 
一方で否定的な意見も否応なしに目に入ってきた。
 
売名行為だ
子どもがかわいそう
なんで同性愛者だと言う必要があるのか*1
性癖を言う必要なんかない
 
 
こんな反応を目にしてげんなりするとともに、
勝間さんの気持ちに思いをはせずにいられなかった。
 
カミングアウトまでにどんな気持ちでいたか
どんな風に差し迫られて、勇気をふるってカミングアウトに至ったのか
カミングアウトの怖さ
カミングアウトで味わう開放感
 
そして有名な方だからこそ、これからいろんな嫌な思いもされるだろう。
それも覚悟の上でのカミングアウトだったに違いない。
 
「何でカミングアウトする必要があるのか」
そういうことを言う人は当事者の気持ちに微塵も思いを馳せたことなどないのだろう。
 
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勝間さんの気持ちを思いながら
私自身の家族へのカミングアウトを思い出さずにいられなかった。
 
カミングアウトするまでは、
彼女との暮らし、日常の些細なよろこび、
プライドパレードで見たすごいパフォーマンス、
LGBT関連のニュースについて、
そんなことを家族に思うまま話せないのがもどかしかった。
 
「結婚しないの?いい人いないの?」
母にそんな話題を振られるたびに
なんでこの人は嫌なことばかり言うのだろう、私の気持ちも知らないで。と思っていた。
私には大切な人がいる。
結婚という選択肢はないけど。。
言いたくても言えなかった。
 
家族のことは信頼していた。
いつかは必ず受け入れてくれる。
だけど、カミングアウトして帰ってきた第一声が否定的な言葉だったら、
私はそれを一生ひきずって生きていくことになると思った。
恐かった。
 
でも去年、自分のセクシャリティを自分自身が完全に受け入れることができた時、
家族にも伝えたいと思った。
 
最初は妹に。
次に母に。
そして父に。
 
この中で一番分かってもらえないかもしれないと思っていたのは母だった。
母に言うことになったとき、自分の体が硬直するのが分かった。
一緒に台所に立っていたのだけど、自分の手が無意味な動きをするのをとめられなかった。
幸いにも、母も、妹も父も、まったくネガティブな反応をしなかった。
妹と父はすでにうっすら気づいていたらしい。
母はまったく気づいていなかったが、あんたが幸せならお母さんそれでいいよ。と言ってくれた。
 
それから私は、解放された気持ちだった。
隠さなくて良い。彼女が誕生日プレゼントにくれたものを家族にみせたり、
二人で行ったパレードの話や、茶話会の話もできる。
台湾やオーストラリアの同性婚法制化の話題にだって触れられる。
そして、私に何かあっても、家族は彼女を私のパートナーとして扱ってくれるだろうと。
 
 
 
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 前置きが長くなりましたが、
 
「何でカミングアウトする必要があるのか」
カミングアウトに否定的な人たちが、少しでもなぜ勝間さんがカミングアウトしたのか知りたいと思うなら、おすすめしたい本がある。
カミングアウト (朝日新書)

カミングアウト (朝日新書)

 

 

この本の表紙を一枚めくるとこう書いてある。
 
<本当の自分>を伝える。そのことがなぜこんなに苦しいのかー
 
本当にその通りなのだ。
 
本書では、著者の砂川さんご自身やその他の当事者のカミングアウトの経験談を交えながら、
同性を愛する人がどんな環境にいて、どんな思いでカミングアウトに至るのか、
それによって本人や周りになにが起きるのか、
加えて、同性愛への偏見・間違った知識についても指摘を交えながらつづられている。
 
私もページをめくりながら、私自身のカミングアウトをなぞり、
これからの家族との関係に思いをはせた。
 
 
勝間さんのカミングアウトに否定的な気持ちを持った人にも 
カミングアウトってどういうこと・・?っていう人にも
これからカミングアウトしようと思っている人にも、
カミングアウトしようか迷っている人にも、
すでにカミングアウトした人にもおすすめしたい。
 
つまり全人類におすすめ。
 
 
 
↓ 砂川さんのもう一つのカミングアウト本
カミングアウト・レターズ

カミングアウト・レターズ

 

 

 ↓そもそもLGBT、同性愛って?という方はこちらを

百合のリアル (星海社新書)

百合のリアル (星海社新書)

 

 

 

*1:彼女が現在女性とつきあっているからと言って「同性愛者」を自認しているかは分からない。

過去に男性にも女性にも惹かれたことがある、と記事には書いてあったので、バイセクシャルなのかもしれない。パンセクシャルかもしれない。現在はもっぱら女性に惹かれる同性愛者なのかもしれない。
それは他人がジャッジすることではなく、本人が決めることですよー。