Dreams leaking from my queer brain.

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ブレイクスルー「会えるはずなかった 私の子どもへ」

録画して、朝早起きしてみた。

牧村朝子さんと妻のモリガさんの間にバーチャルで子供を作るという、現代アーティストスプツニ子!さんのプロジェクトをおったドキュメンタリー。

www.nhk.or.jp

 

iPS細胞から生殖細胞を作ることができること、これによって同性間で子供を作ることができるかもしれないということ、このことは数年前ニュースで見て知っていた。
当時の彼女と、もしできるなら二人の子供作る?作らない?みたいな話をしたのを覚えている。
けれど、自分の生きているうちに実際に技術が確立し、さらに社会的に許されて、この技術を利用することはないだろうと思っていた。遠い未来のことだと思っていた。


実際に同性カップルでこの技術を使う想定でバーチャルで子供を作る、それを日本で有名なレズビアンカップル、牧村さんとモリガさんでやる、そのドキュメンタリーをNHKが放送する。

それが、あのニュースをみた数年後に起こるなんて思ってもなかった。

 

私自身は今は子供が欲しいという気持ちはないのだけれど、もし自分に一生をともにしたい同性のパートナーができたら、子供を持ちたいという気持ちにきっとなるだろうし、そうなったらやっぱり自分と好きな人の間の子、二人の要素が混じり合った子が欲しいと思うだろう。私以外にも、同性パートナーとの間に子供が持てたらどんなに良いだろうと思っている人はたくさんいるに違いない。

 

この技術が実際に使われるようになる日は果たして来るのだろうか。

同性愛というタブー、命を科学で操るというタブー

その二つの大きな壁が立ちはだかっている。だけど、タブーって時代・世代によって変わっていくものだ。どちらのタブーも崩壊しつつある。

番組の中で科学者の一人が「ダメなものはダメ」と言っていたけど、それは全く説明になっていない。スプツニ子さんや司会の風間さんが言っていたように、ただ否定するのではなく議論していく必要があると思うし、その大きなきっかけになった番組だったのではないかと思う。

 

また、スプツニ子さんは
“産むことできないんだと思っていたところが、
 産めるかもしれないって言う希望に変わるときに、
 自分の世代でできるかどうかわかんない。
 つかめない星を見せられているような、そんな気持ちになりませんか?”
そんな風に言っていたけど、

自分の思ってもみなかった未来、希望、
それを私たちのようなマイノリティが気づいて、求めていく。
そんなすてきなことってないんじゃないかと、私は思う。

 

例えば、少し前まで、あり得ないと思っていたこと。

同性愛者は我慢して隠れて生きることがフツウだった。それがだんだん変わって、今や先進国では同性婚やそれに相当する制度がない国の方が少ないくらい。それはかつて、誰かがそんな未来を夢見て、そして実現させてきたことなのだと思う。

日本でも同性カップルが胸をはって幸せに暮らせる未来を夢見ることってすてきだし、それを実現させるためにはまず夢見ることが必要だと思う。

 

今回のプロジェクト、そしてこのドキュメンタリーはそんな「思ってもみなかった未来」のさらに一歩先を行く二人の間の子供を持つという思ってもみなかった未来を私たちに見せてくれた。

パートナーとの間に、子供を持つかどうか。その選択をする上で欲しい・欲しくないをパートナーと話し合う。欲しいと思えばそれをサポートする技術がある。
今はそんなことを話し合う選択肢すらない、同性間のカップルや、性同一性障害の人、生殖器に障害のある人。
彼らに、そんな未来が開かれる日がくればいいなと思う。

 

そんな未来を私は夢見ている。